巨人の足

山のような足が村の真ん中に落ちてきました。とても寝相のわるい巨人がいるのでした。
このままではとても不便だと、村人は巨人を起こそうと声をかけました。
とても大きな体をしているので、小さな村人の声は届きません。
それでは足をどけようと、村人たちはみんなであつまって考えました。

針でさして起こそう。
巨人の膚はとても厚く、村人が持つ刃物ではとても突き通すことができませんでした。

てこの原理で少しずつ動かそう。
巨人の足はあまりに重く、丈夫な木がすぐおれてしまいます。
木のはしに村人全員がぶらさがっても、巨人の足はびくともしません。

足の下に木を並べて、転がそう。
巨人の足を持ち上げることができないので、なかなかうまくいきません。

巨人の足にはしごをかけ、村人たちは不便さをほんの少しだけ解消しました。
それでもやはり、村の真ん中にある巨人の足は、とっても不便なのでした。

その後も、毛臑を引っ張ったり、石を投げてみたり、
村人は総出で知恵をしぼり、いろいろと試しましたが巨人の足はびくともせず、
遠い遠い向こうからなんとも心地良さそうないびきがきこえてきます。
巨人はとても気持ちよく眠っているのでしょう。村人たちは、とても困りました。
このままでは村は半分ずつになって、反対側へいくのにとても不便だからです。
 

一週間ほどして村人たちはくたくたになり、しょんぼりとしていました。

ある日、子供が一人、巨人の足を見上げていました。
子供がいいました。
「わあ大きな足。くすぐったら、きっとすごくくすぐったいね」
くすくすと笑いながら子供がいいました。

村人たちは家から羽根やら綿やら葉っぱやらを持ってきて、
いっせいに巨人の足の裏をくすぐりました。
つま先立ちになって、汗をかきながら大きく両手を大きく振り回して一生懸命くすぐりました。

やがて巨人の大きな親指がぴくりと動き、わははははと大きな笑い声が響きわたりました。